【濫読:556】清水幾太郎『わが人生の断片(下)』、文春文庫 (1985)

「単独講和」対「全面講和」、「マルクス主義」対「社会学」、「基地反対」対「安全保障」、「六全協」対「ブント」、「実存」対「経験」などの対立のなかで自己流の生き方を貫こうとした人の自伝。

私自身、この時代を知っているつもりであったが、じつは知らないことだらけだった。(著者はアジテーションに巧みであった。これが私にとっての著者の実像。)

【ブラウジング:143】柳広司「小説の起源:プラトンの『ソクラテスの弁明』」『図書』、n.840 ,p.44-48 (2019)

 

ソクラテスの弁明』が最初の小説であったという説。これを可能にしたのが、アテネの民主制であったという。

【ブラウジング:142】山室信一「モダン語、あれ?これ?」『図書』、n.842, p.40-45 (2019)

モダン語とは、辞書には記載されず、文脈によって独自の意味をさすものとのよし。ここに紹介された多くのモダン語を私は、年寄にもかかわらず、ほとんど理解できない。

このモダン語、SNSとともに、今後、ますます増えていくことだろう。年寄にとっては厄介な話。

【濫読:555】遠藤諭『計算機屋かく戦えり』,ASCII (1996)

日本における計算機の発達史をオーラル・ヒストリーの形でまとめたもの。主流の人よりも、傍流、ユーザーの語りのほうが面白い。たとえば、計算尺、タイガー計算機、オペr-ション・リサーチ、事務計算などの導入に尽力した方がたの。

【ブラウジング:141】山田肇「情報アクセスビリティをめぐる政策の動向」『情報通信学会誌』, v,36, n.1-2, p.17-22 (2018)

平明なかつ包括的な総論。著者も触れてはいるが、情報アクセスビリティはインフラ、そこに寿命の短いIT技術を実装することに問題はないのか、これが気がかり。

 なお、この雑誌のアクセスビリティは極めて悪い。活字のフォントがあまりにも小さいので。

【ブラウジング:140】渡邉茂「比較認知科学:忍び寄る擬人主義」、『UP』,v.555 (2019)

認知科学の方法論を、とくに擬人主義を、さまざまな視点から論じた論文。語り口は絶妙。

 ただし全体としてなにを主張したいのかについては、話が跳びすぎて、読者がレイパーソンである場合には、いまひとつ困惑。