畑中洋太郎監修『成功にはわけがある』朝日選書

60個の炭素原子がサッカーボールの形に並んだ分子がある。これを「フラーレン」と呼ぶ。その発見者はノーベル賞を受賞した。
 飯島澄男さんはそのフラーレンを受賞者よりも5年も前に電子顕微鏡で見ていながら、それを見過ごしていた。
 その飯島さんが、今度は針状の炭素の結晶を発見する。それはカーボンナノチューブというナノテクノロジーの基礎材料になった。
 飯島さんは言う。私より前にカーボンナノチューブ見ていた人はたくさんいただろうに、それに気づかなかった。発見とは不思議なものだ。
 こんな成功物語を合わせて8編。畑村先生の短評も読み応えがある。

朝日新聞』 7月13日夕刊 匿名にて (2002年)